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[report]エコプロダクツ2010 [その2]
12/9~11にかけて開催された国内最大級の環境展示会“エコプロダクツ”のレポート第2弾!
今回は少し趣の異なる取り組みを紹介します。
誰でもできる日常的な話ではないけれど、何かの参考になればと思います。
さて、この写真に写っている不思議な物体の正体とは…

e0018342_144759.jpg




エコプロダクツ2010 注目のアイテム その②

[サンドソーセージ]
これは大手素材メーカーの「東レ」のブースで紹介されていたもので、
複数の企業と研究機関により産学連携で進められているというプロジェクト。
なんと、この不思議な物体で砂漠を緑化するという取り組みなのです。

まず予備知識として“砂漠の緑化とは”からお話しましょう。
砂漠にもいろいろあって、大昔から砂漠だったところと、
人間による過度の伐採や放牧によって最近砂漠化したところがあり、
後者に関しては、本来その土地は植物が育つ条件を持っています。
しかし、いったん砂漠化してしまうと、絶えず表層の砂が風で移動し、
植物の種が芽を出す前に飛ばされてしまったり、
芽を出してもすぐ砂に埋もれてしまい、なかなか植物が育たなくなります。
さらに、風で運ばれた砂は加速度的に周辺地域を飲み込んで、
どんどん砂漠が広がってしまうので拡散を防ぐための措置が必要になります。
もちろん食い止めるだけでなく失った緑を回復させることができれば、
それに越したことはありません。

その方法としては、誰でも「植林」を思い浮かべると思います。
しかし、これには大きな手間と費用ががかかります。
また、相当綿密な計画をもとに進めないと、
上記のような砂の流動性によって苗木が埋もれてしまったり、
根が地表に露出したりして失敗するケースが多いのだとか。
つまり、まず砂の動きを止めることが重要な訳です。
そこで、中国に伝わる「草方格」と呼ばれる伝統的な砂防方法と
現代科学を組み合わせたのが、この「サンドソーセージ」なのです。
この工法による緑化の流れは以下のようになります。

①まず、樹脂繊維でできたチューブに現地の砂を詰めて両端を縛ります
②こうして作った長いソーセージ状のものを1m四方の格子になるように並べていきます(草方格ではこれにワラを使うそうです)
③こうすると風で動く砂の量が抑制され、風で飛んできた牧草の種がこのチューブにひっかかって芽を出し、徐々に地面が牧草で覆われていきます
④マメ科の牧草であれば“窒素固定”といって空気中の窒素を養分にできるので土地が痩せていても生育でき、やがて土地を肥沃にします。また牧草で覆われた地面は水分を保持できるようになります
⑤ここまでくると乾燥に弱いその他の植物も成育し始め、植生が豊かになると虫や鳥が飛来して花粉や種をどんどん媒介し、やがて元の自然の姿を取り戻します

サンドソ-セージ敷設作業のイメージ↓
e0018342_14113290.jpg
ここで特筆すべきことは、このチューブが「ポリ乳酸」という特殊な樹脂繊維で作られていること。
この樹脂は頑丈で、砂漠の過酷な環境でもなかなか劣化しません。
しかし、水分が多いと急速に生分解されて最後は水と二酸化炭素になるそうです。
つまり、現場が砂漠である間は形を保ち、
緑地になって土地が水分を保持できるようになると役目を終えて消えてしまうのです。
ワラを使った従来の方法だと効果は一時的ですが、
サンドソーセージは基本的には敷設作業を一度行なうだけで済み、また撤去の必要もありません。
メリットはまだまだあります。
チューブの中に入れるのは現地の砂で、植生も自然任せなので生態系に悪影響を与えない、
何より、植林に比べると手間がかからないので手軽な実施が可能で、
高度な技術や機械がなくてもチューブを持って行くだけで地元の人でも実行できる…

どうです?夢のような技術だと思いませんか?
この話を聞いて、どこまでも考え尽くされたシステムに感心してしまいました。
単に科学の力に頼るだけでは、こうはいかなかったと思います。
「自分たちの得意分野で何か世の中の役に立ちたいと思うこと」
「古くから伝わる知恵に耳をかたむけること」
「自然が本来持っている力を引き出すこと」
いろんな問題を解決するヒントがここにあるような気がしました(T)
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by lovetheearth_blog | 2010-12-27 15:18 | ブース出展レポート
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